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【トピックス】社内講師が自ら安心するための「研修準備の方法」


 社内講師を任されると、受講者が新入社員と言えども、研修内容が受講者に受け入れられるかどうか不安になることがあります。ここで研修スライドにガッツリ手をつけてしまい、その情報量を増やしてしまうと、さらに不安が増大していきます。ここでは研修の準備段階において、社内講師が自ら安心するための「研修の準備方法」をご案内します。


前提

■次のような方を想定して、「ステップA~ステップG」をまとめました。

 

今後実施予定の、1~2時間の研修テーマを与えられた。

昨年の研修スライドはある。

経験が浅い5年未満の社内講師

・社内研修に自信が持てない社内講師

 

 


ステップA)前回の実施情報を再確認する

 前回について自分がやったにせよ、前任者から引き継いだにせよ、前回の実施情報を再確認しましょう。新入社員研修や階層別研修などは約1年前になることもあるので、前回の実施を思い出せなかったり、具体的に把握できなかったりすることがあります。しかし、入手できうる情報で、どんな研修だったかをイメージしてみましょう。次の実施情報例を参考にしてください。


■前回の実施情報の主な例1

・(前回の研修実施企画書/研修報告書があれば理想)

・受講者アンケート

・研修スライド(配布資料)

・前回の講師のコメント

■前回の実施情報の主な例

・前回は、研修内容を理解したのか?(難しかったのか?)

・アンケートにどんな言葉が多く記述されているか?

・時間は短めだったか、適切だったか?



ステップB)受講者情報を収集する

 今回の研修における受講者情報を入手しましょう。受講者の関係者から間接的に情報を得るのもよいですが、受講者の生の声に近い情報が把握できると、よりよい準備につながります。


■受講者情報の主な例

・研修内容については、初めてか、既知か?

・研修内容については、イメージしやすそうか?

・研修内容と近いことについて、経験してそうか?


ステップC)研修スライド(資料)調整部分を検討する

 ここでは、前出のステップA)、ステップB)の情報に沿って、研修スライドの調整部分を検討しましょう。自分なりにいろんな内容と加えたくなると思いますが、ここでは一旦がまんしましょう。

 特にここでは研修スライドを触るのではなく、次のような根拠と調整点を列挙します。


例1)前回のアンケートでは理解度が低かったので、(根拠)

 →写真イラスト付きの補足資料を追加する。(調整点)

例2)今回の受講者は、文系の学生が多いので、(根拠)

 →技術用語一覧を追加する。(調整点)


 ここで列挙した点については、研修後に振り返ると、有効な調整であったかどうかの知見になります。【重要】


ステップD)仮の「研修(実施)企画書」を記述する

 ここで言っているのは研修開発企画書ではありません。研修を実施する前の、研修(実施)企画書です。ステップA~Cによって、改めて自分に任された研修をどんなつもりで実施するのかを記述します。すでに研修責任者から企画書を渡されていたとしても、講師を担当される方が自分で書いてみるのが理想です。次の項目を参考にしてください。


▼研修(実施)企画書の項目例

・この研修を実施するに至った背景・経緯・問題

・今回の受講者の特徴や主な傾向

・研修目的(この研修後における現場での好ましい状態や行動)

・研修目標(研修の最後には最低限理解しておきたいこと)

・研修の進め方

・研修実施の準備物

・研修実施の留意点



ステップE)「研修スライド/その他のツール」を作成する

 このタイミングで研修スライドおよびその他のツールを作ります。特に、ステップA~Dの情報を注意深く意識することによって、無駄な情報が盛り込まれることを抑えていきます。



ステップF)主要部分に関してリハーサルをする

 ここでは大げさなリサールではなく、受講者が前にいることをイメージしながら、しゃべってみます。理由は、しゃべってみると、資料のおかしな部分に気づくことがあるからです。

 また、スライド全てのリハーサルは負担が大きいので、冒頭の入りや受講者にとって難しい部分、自分が言いにくい点をピックアップしてやってみましょう。



ステップG)「研修(実施)企画書」と「研修スライド/その他のツール」の完成!

 自分が着手しているステップで行き詰まったら、無理をせず、1つ前のステップに戻り、情報を整理しましょう。情報を整理することによって、スッキリした気分になり、先ほどのステップに戻ると、スムーズに進むことがあります。

 また、研修スライドを作りこむ際、長時間作りこんでいると、細かい部分をしつこく作ってしまうことがあるので、全体スライドを俯瞰するために、一旦休憩を入れましょう。3分間でも空を見ると、細かくこだわっていた部分に気づくことがあります。



まとめ

 結局、研修スライドのみを強く意識して情報量を増やすと、受け入れられそうもないイメージが強くなり、さらに不安になります。

 

 特にここでは、前回の実施情報や今回の受講者情報が、自分(社内講師)の不安を抑える重要なポイントになります。

 

 前回情報の確認や受講者情報は、把握する負担が大きいので、つい、軽くなったり、雑になったりしますが、講師の心理、そして受講者の理解にとって、非常に重要なことなのです。


講師ステップ研修シリーズのご紹介

 上記の「社内講師が自ら安心するための『研修準備の方法』」を補足する研修を次にご紹介します。研修直前になると、あれもこれもという雑事が増えてきます。余裕がある時期に早めに不安な点を解消しておきましょう。