<5>研修企画書の書き方・3ポイント





【はじめに】受講者がよくなることを考えて書く書類とは?

 通常は「研修企画書」というと最初に書くものです。しかし、ここでは最後の章で記述しました。なぜならば、受講者に役立たないような表面的な記述をしてほしくなかったからです。

 

 ここでは、あなたの社内研修を俯瞰(ふかん)して、よりよい研修実施イメージを持っていただくための「研修企画書」の書き方をご案内いたします。

 

 よって、他の人に提出し、共有するものではありません。あくまでもまずあなたが、この「研修企画書」をご自身で記述しながら、社内講師としてのあなたをイメージするものとしてください。



(14)研修企画書の中でイメージしたいこと

 前出の「<2>研修目標の決め方・4ポイント」でご案内しましたが、再度、以下の3点を(再)記述してください。

 

(1)背景・現状・・・受講者の傾向・受講者の現在の状態

(2)研修目的・・・現場でやってほしい行動や期待される状態

(3)研修目標・・・研修目的に近づくために、最低限、研修内で達成する状態

 

 

 例えば、4月の新人研修の「指示の受け方」で表現してみましょう。

 

(1)背景・現状・・・前年、指示の受け方に関連して納期を守らない新人がいた。

          (次の年の新人も同じことをしそうだと推測している。)

 

(2)研修目的・・・指示を受ける際には、上司が言わずとも自ら納期を確認すること

 

(3)研修目標・・・現場で実践できるように、受講者が指示の受け方3ポイントを

          理解すること。(=研修の後半にそのポイントを答えられること)

 

 このように(再)記述しながら、自分の準備した研修によって、受講者が目的に近づけそうかどうかをイメージしてみてください。

 


(15)研修後の振返りで役立つ見積りとは?

 一方的に情報を伝える研修は、1スライド2分間などと単純計算できるので、時間の見積りがしやすくなります。しかし、このページで推奨している、質問を含めた受講者とのやりとり、受講者どうしの話合いなどは時間の見積りがしにくいとよく言われます。

 

時間の見積りがしにくいので、見積りをしないで研修を実施すると、時間延長等のリスクが生じます。ここではざっくりと時間の見積りをしておくことを推奨いたします。


順番

項目

時間

補足

今日の研修の目的、背景・現状、目標

5分

受講者とやりとりする

自分(講師)の紹介

5分

受講者とやりとりする

今回の進め方

1分

情報伝達のみ

研修の目標の再伝達

1分

情報伝達のみ

昨年の新人の失敗談

5分

受講者とやりとりする

指示の受け方3つのポイント

3分

受講者と軽くやりとりする

ポイント1の事例

5分

受講者とやりとりする

ポイント2の事例

5分

受講者とやりとりする

ポイント3の事例

5分

受講者とやりとりする

10

ケーススタディーAのディスカッション

20分

話合いの様子を観察する

 

休憩

10分

 

11

ケーススタディーBのディスカッション

20分

話合いの様子を観察する

12

ケーススタディーCのディスカッション

20分

話合いの様子を観察する

13

指示の受け方3ポイントの再確認

5分

受講者と軽くやりとりする

14

自分自身の工夫・発表

5分

 

15

質疑応答・最後のことば

5分

 

合計

120分

 

 上記のケーススタディーの20分間は以下のように見積もった合計です。ケーススタディーの難易度によって、5分間で話し合いが終わってしまうこともありますが、ここでは最大10分間を見積ました。

 

 ・ケーススタディー説明&指示・・・5分

 ・グループディスカッション・・・10分

 ・各グループ発表・・・5分

 

 上記の各時間を合計すると、休憩時間10分間を入れ、120分間(=2時間)の研修となります。

 

このように「指示の受け方・3ポイント」自体は知識として少ないですが、配属先の現場で、実際の<行動>ができるところまで近づいてほしいので、2時間の研修となりました。

 

また、研修中に本当にできるようにする<研修目標>の場合は、時間を延長し、上記にロールプレイなどを繰り返し実施する項目を追加していきます。

 


(16)このリストがあると、準備漏れがなくなる

 上記の時間見積りをした後に、項目を見ながら実際あった方がよい準備物を列挙しましょう。研修準備物に関する大きなカテゴリーとして以下の3点があります。

 

 (イ)受講者の理解促進のため主に必要なもの

   -例)研修スライドと同じ資料

   -例)ケーススタディーなどの検討記述シート(上記のスライドに含めても可)

   -例)スライドに写せないような細かい情報の資料

 

 (ロ)社内講師としてのあなたに必要なもの

   -例)スライドのサムネイル表示版(スライド一覧)

   -例)受講者への配布資料一式

   -例)受講者名簿

   -例)研修進行表

   -例)研修アンケート

   -例)ストップウォッチ

 

 (ハ)研修会場における主な機材

   -パワーポイント入りノートパソコン(&電源コード)

   -研修スライドファイル

   -スライドリモコン

   -プロジェクター、スクリーン



【さいごに】ことば遊びにならない研修準備

 社員研修を進めていく際には、組織によっていろいろな書類があります。ここで申し上げた「研修企画書」のポイントは、あなたがご自身の研修をイメージするための資料です。

 

 その研修実施のイメージのために、以下の項目の記述が重要です。

 

(1)受講者の現状

(2)研修目的

(3)研修目標

(4)研修スケジュール(時間見積り)

(5)準備品

 

 上記の項目は、最初から企画書フォーマットに落とし込もうとすると、言葉遊びになりがちです。よって、最初はスケッチブックなどでメモ書き程度にいろいろ書いてみて、イメージができあがった後に、企画書フォーマットまとめてみることがよいでしょう。

 



受講者に役立つ研修準備・16のポイント



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