<3>事例の作り方・3ポイント





【はじめに】研修目標設定後のコンテンツ作成方法とは?

 前項の<2>研修目標の決め方・4ポイントでは、研修目的、受講者の現状、研修目標を解説しました。この研修目標がもやもやしていると、そのもやもやしたものに向かっているため、あれもこれもスライドに盛り込んでもいいということになってしまいます。

 

 反対に「そこが研修目標ね!」と社内講師が具体的に理解していれば、どうやってそこまでたどり着こうかという意識になってきます。ここでは研修目標(=研修ポイント)の次にやるべきことで、事例の作り方について解説します。


(8)まず最初に作るスライドとは?

  前項の例で掲載した、「指示の受け方」の研修目標を以下に再掲します。そして、この内容こそが、研修内容のポイントとなります。

 

▼研修目標

 研修の終了時に、上司から指示を受ける際の「指示の受け方」の3ポイントを理解すること(=3ポイントを質問された際に、回答できること)

 

▼スライドタイトル

 上司から指示を受ける際の「指示の受け方」の3ポイント

 

▼スライド内容

 上司の指示を受ける際は、

 ポイント1)メモをしながら聞くこと

 ポイント2)上司に言われずとも納期を自ら確認すること

 ポイント3)あいまいな言葉を使わないこと

 

 

パワーポイントスライドにすると、下図のようになります。


上司から指示を受ける際の「指示の受け方」の3ポイント

(9)ポイントの次に作る事例の作成方法

 上記のポイントのみでは、言葉だけの理解になってしまうので、できるだけポイント項目に沿った現場で実際に起こった事例を追加していきます。また、事例表現にはいろいろありますが、ここではシンプルに<状況・行動・結果>フレームを使って、一例を示します。

 

ポイント1)メモをしながら聞くこと・事例

▼状況

 724日に上司A課長から、お客様への見積書・送付依頼があった。具体的には、納期=731日までに送付してほしいとのことだった。

 

▼行動

 731日までは特に忙しくなく、大丈夫だと思い、そのことのメモをしなかった。その後、725日に緊急の仕事が入り、730日に仕上げた。しかし、上司A課長からの見積書送付依頼を忘れてしまい、急いで8月1日に送付した。

 

▼結果

 その結果、お客様から「他社にお願いすることにしました。」と言われた。その後、上司A課長から叱られたのは言うまでもない。

メモをしながら聞くこと・事例

 このような失敗事例や成功事例を受講者に示せると、そのポイントの重要性がよりリアルにイメージされていきます。


(10)事例を活用し、受講者の思考をさらに促すスキルとは?

 ただし、上記の事例は社内講師が読み上げるだけは、受講者はリアルにイメージしません。受講者へ質問をしながら、かつ、受講者が理解するスピードに考慮して、理解を促していきます。例として受講者への質問例を以下に示します。上記の事例を話しながら、質問をしているイメージで以下ご覧ください。

 

(新入社員に対して)

質問例1)見積書って何ですか?

質問例2)通常お客様は、見積書が必要ですが、それはなぜでしょうか?

質問例3)学生時代は、依頼されたことをメモしてましたか?

質問例4)今、どんなメモ帳を持っている?

質問例5)学生時代、緊急の要件って、依頼されたことある?

質問例6)このお客様は、何をしていたんでしょうか?(推測でいいですよ!)

質問例7)この上司は、どのように叱ったと思いますか?(推測でいいですよ!)

質問例8)この事例からどんなことが学べますか?

質問例9)・・・


【さいごに】研修内容を伝えることではなく、研修内容を受講者の実務でイメージさせることが講師の役割

 ここでよくある質問は、「研修が早く終わってしまいそうなんですが・・・・。」というようなものです。

 

 確かに受講者へ一方的に伝える場合は、上記の情報だけで3分ぐらいでしょう。しかし、それでは受講者が実務をイメージするまでには至りません。その場での言葉は伝わりますが、受講者が現場にもどったとき、思い出せなくなってしまうのです。

 

 なので、1つの事例を、受講者とやりとりしながら理解、イメージさせるのです。1つの事例を使って、グループでディスカッションさせてもいいでしょう。そうして、受講者の言葉だけの理解を、よりリアルなイメージにするのです。

 

次のページでは、ケーススタディについて解説します。

<4>ケーススタディの作り方・3ポイント>>


受講者に役立つ研修準備・16のポイント



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