<1>研修準備の考え方・3ポイント

受講者に役立つ研修準備16のポイント



【はじめに】経験が少ない社内講師によくありがちなこととは?

自分のためにやる社内講師はこうなる

 「若手社員向けに、◯◯研修を、3ヶ月後にやっていただけませんか?」

 

 このような依頼を社内の人から受けた後、あなたはどのように社内研修を準備しますか。社内講師の経験が少ない方が社内研修の依頼を受けると、次のようなことをしがちです。

 

 ・知っていることをパワーポイントに詰め込む

 ・情報量が少ないと感じて、ビジネス書籍から抜粋してパワーポイントに入れ込む

 ・研修直前になって、不安になり、さらにあれもこれも追加する

 

 このまま社内研修を実施すると、次のような状態になります。

 

(1)受講者がうつむいて、スマホをいじくり、話を聞かない

(2)受講者から、「説明はいらないので、ファイルを送付してほしい」と言われる

(3)研修終了後、あなたと目を合せないようにして、立ち去る

 

 つまり、受講者は落胆しているのです。忙しい中、やりくりしてこの研修に参加したのに、自分の業務には役立ちそうもないと感じてしまった。あなたが間違えて準備した結果がこの状態なのです。

 

このような状態になったとしたら、受講者もあなたもメリットはありません。そして、受講者の研修時間を費やしている組織のメリットもありません。

 

 だれにとってもメリットがない状態になってほしくない。受講者に役立つ社内講師、受講者の生産性によい影響を与えられる社内講師に少しでも近づいてほしい。このような想いで、この度、<はじめての社内講師・受講者に役立つ研修準備16のポイント>をまとめました。

 

 ここで書かれたことを1つ1つ研修準備の中に、取り入れていただくことによって、「受講者に役立つ社内研修とは、そういうものなのか!」という光明を見出せるようになります。


(1)受講者が感じる”役立ち感”とは?

ビジネス書籍からの抜粋

 「社内研修は、受講者が知らない情報(知識)を伝えていれば十分だ。」

 

 その会社における研修慣習があって、上記のように社内研修内で許されていることがあります。しかし、そのように伝えられた研修を受けた受講者は、以下のような印象を持つでしょう。

 

 ・「でっ、その知識はおれの業務のどこに関係しているの?」

 ・「その知識は、どう使えばいいのかな?」

 ・「それは自分にとって、どこで役立つのだろうか?」

 

 受講者にとって、この疑問が解消できないまま、社内研修が終わってしまうと、その情報(知識)を伝えた研修は、価値が低いものになってしまいます。以下の流れをご覧ください。

 

 (イ)情報(知識)  (ロ)好ましい行動  (ハ)継続  (二)成果

 

 何がいいたかというと、社内講師が受講者のために、(イ)~(二)全体を見すえて、(イ)情報(知識)を伝えているのか、(ロ)~(二)を無視して、(イ)情報(知識)のみを伝えているかによって、受講者が感じる役立ち感が大きく変わってきてしまうということです。

 

 つまり、社内研修は、受講者が知らない情報(知識)を伝えるだけでは、十分とは言えないのです。


(2)受講者の受講意欲に影響を与えているものは何か?


 例えば、受講者が次のように感じるとしたら、どうでしょうか?

 

 ・「この社内講師は、自分たちの大変な状況をよくわかってくれているなあ。」

 ・「自分たちの負担にならないように、内容をポイント化してよくまとめてくれたな。」

 ・「研修後の先々のことまで、考えてくれているなんて。」

 

 受講者がこのような肯定的な感情になって、研修が実施できたら、あなたが伝える内容は受講者にどんどん入っていきます。逆に、社内研修に慣れていない社内講師は、自己紹介などで以下のような発言をしがちです。

 

「私は今回の研修がはじめてです。はじめてで慣れていなので、ところどころでミスしてしまうかもしれませんが、・・・お手柔らかにお願い申し上げます。」

 

 このような自己紹介を聞いた受講者はどういう印象を持つでしょう?

 

 ・「この人、はじめてかよ。大丈夫かよー」

 ・「ミスって、どんなミスだ?」

 ・「配布されたこの資料にも、ミスがあるのかな?」

 

 このような印象を持った受講者の受講意欲は、高まりません。そして、このあとの社内講師の話は、疑って聞くようになるか、全く聞いてくれないかのどちらかとなります。

 

 つまり、社内講師としてのあなたの発言は、研修中のところどころで、受講者の受講意欲に影響を与えているのです。繰り返し申し上げますが、「情報を伝えれば十分である」というのは、表面的なとらえ方です。よって、受講者の受講意欲も念頭におきながら、研修準備をする必要があるのです。


(3)よい準備をするためには何を意識すればいいのか?

 ・コミュニケーションスキル

 ・プレゼンテーションスキル

 ・インストラクションスキル

 ・ファシリテーションスキル

 ・インストラクショナルデザインスキル

 

 今後も、「◯◯スキル」という言葉はいろいろと出てくるでしょう。そして、新たな「◯◯スキル」という言葉が出てくる度に、その抽象的なキーワードだけで議論する方がいます。しかし、「◯◯スキル」という抽象的なキーワードでは、適切な研修準備はできません。

 

 何がいいたいかといと、「◯◯スキル」があるとか、ないとか、あいまいに検討するのではなく、具体的な言動表現で検討するのです。なぜならば、具体的な言動表現で検討することによって、あなたがつまずきそうな点が具体的にわかってくるからです。以下に例を示します。

 

(失敗事例を話した後の受講者への質問シミュレーション1)

講師の言動1 ・・・「この失敗事例についてどう思いますか?」

受講者の反応1・・・「・・・(無反応)」

講師の期待1 ・・・(もっと、多くの意見が出てきてほしい。)

 

(失敗事例を話した後の受講者への質問シミュレーション2)

講師の言動2 ・・・「この失敗事例について気になるところはありますか?」

受講者の反応2・・・「A君のメモ帳の置き場が気になりました。」

           「A君は上司に再確認したかどうかが気になりました。」

           「A君の他の仕事があったのでは?という点が気になりました。」

講師の期待2 ・・・(このぐらい出てくると、期待どおりだ!)

講師の知見2 ・・・(質問表現を少し工夫すれば、受講者は答えやすくなるかもしれない)

 

 

 このように、講師の言動、受講者の反応、講師の期待、講師の知見、または受講者の受講意欲(推測)などの観点で具体的に検討し、あなたの良い言動、悪い言動を自分自身で見出していくのです。


 準備段階においては推測になってしまいますが、まずは具体的に研修を実施しているイメージしながら、準備をするというのがポイントとなります。



【最後に】研修をやる際の”よくないとらえ方”とは?

 社内研修を依頼されて、よくありがちな研修準備は、パワーポイントスライドに自分が知っていることをあれも、これも入れてしまうことです。また、ビジネススキル本などから要点をいいところだけを抜粋して、社内講師が満足しまうことです。

 

このような状態は好ましいことではありません。そのやり方に慣れてしまうと、研修準備の仕方がなかなか変えられなくなってしまいます。

 

 このページでは、受講者に役立つための社内講師として、ボタンのかけ違えがないように、まずは研修準備の考え方・3点を示しました。

 

 

 この3点によって、「社内研修は、受講者が知らない情報(知識)を伝えていれば十分だ。」というとらえ方が、あなたが今後社内講師をやる際に、よくないとらえ方であることをご理解いただけるでしょう。

次のページでは、研修目標について解説します。

<2>研修目標の決め方・4ポイント>>


受講者に役立つ研修準備・16のポイント



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