理想的な組織内講師とは、受講者を次のようにさせる人です。
・研修のはじめに:研修内容を聞きたくさせる
・研修中:研修内容がわかりやすく理解させる
業務でのイメージをわかせる
・現場で:研修内容を思い出させ、実践・活用させる
研修内容をよく知っている、話がうまい、経験が豊富という講師が持つべき資質は、もちろん必要な場合もあるでしょう。しかし、その資質にとらわれないでください。なぜならば、この資質にとらわれている限り、組織内講師として成長するのに非常に時間がかかってしまうからです。あくまでも受講者をどうさせるかです。
組織内講師によくありがちなことは、まずは準備の段階でスライドに情報を過剰に盛り込んでしまいことがあります。あとで整理しようと思っても、最初に要点を決めなければ、情報はなかなか省くことはできません。
このように準備の段階でつまずくと、研修中は話をするしかなく、しかもスライドを見ながら話すことになります。
そうなると、受講者を観察することなく、自分のペースでどんどん話すということになります。
このような研修を受けた受講者は、最終的にどうなると思いますか?
あたりまえですが、「いろいろ話していたなー。」「長時間の研修でたいくつだったなあ。」という感覚しか残っていないと思います。つまり、「受講者の頭に残っていない」のです。
このような状態で研修を修了した場合、現場ではもちろん思い出せません。思い出せなければ、実践も活用もない。まさに研修時間の無駄となります。受講者の受講時間、講師の準備時間等、給与換算にして合計を出してみてください。恐ろしい数字になります。
働き方改革で、時短と言われている割には、多くの企業で、時間の無駄となっている社内研修が継続して実施されていませんか?